ツイッターでよく使われる10大言語について、タイムゾーンから主な国を推測したら、世界の言語分布が明らかになった!(※地図入り) #Twitter4J
※ツイッター分析シリーズの目次はこちら。
2015年版のツイッター分析(世界編)です。今回は言語別タイムゾーンランキングによる世界の言語分布についてです。
前回の記事では全言語でのタイムイムゾーンでのランキングを発表しました。今回はより詳細にどの国からかまたはどのタイムゾーン(地域)からのツイートが多いかを調べるために、言語別のデータと組み合わせて分析することとしました。
具体的にはツイッターでよく使われる10大言語について、それぞれのタイムゾーン上位から属する主な国を推測し、公用語国・非公用語国(周辺国)・非公用語国(非周辺国)に分けて考察しました。
なお、言語別タイムゾーンランキングの部分は長いので、結論を先に見たい場合は「まとめ」へジャンプしてください。
<使用データ> →詳細はこちらへ
日時:2015/06/03(水)、06(土)、07(日) 0:00~23:59(日本時間)の
毎時00分、20分、40分台
言語数:64言語(日本語+外国語)
ツイート数:59万9230 ツイート
言語別タイムゾーンランキング
ツイッターでよく使われる10大言語について、それぞれのタイムゾーン上位10位をランキングしました。
「時差」はグリニッジ標準時(GMT)との差です。今回は6月現在の時間なので、タイムゾーンによっては夏時間(サマータイム)が適応されています。
「割合」は各言語でのタイムゾーンに占めるツイート数の割合です。「主な国」での黄色はその言語が公用語である国を指します。
解説はそれぞれの言語別で公用語と絡めて考察しました。
1位 英語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Eastern Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -4 | 20,059 | 16.5% |
2位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 14,666 | 12.0% |
3位 | Central Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -5 | 14,054 | 11.5% |
4位 | London | イギリス | +1 | 8,102 | 6.7% |
5位 | Atlantic Time (Canada) | カナダ | -3 | 6,009 | 4.9% |
6位 | Arizona | アメリカ | -7 | 4,755 | 3.9% |
7位 | Quito | エクアドル | -5 | 4,344 | 3.6% |
8位 | Amsterdam | オランダ | +2 | 3,699 | 3.0% |
9位 | Beijing | 中国 | +8 | 3,391 | 2.8% |
10位 | Mountain Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -6 | 2,649 | 2.2% |
この中で英語の公用語国はアメリカ、カナダ、イギリスで合計57.7%となります。一方でエクアドル、オランダ、中国という公用語国でなく周辺国でもない国がランクインし、英語の影響力の強さが分かります。
2位 日本語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Tokyo | 日本 | +9 | 26,019 | 41.8% |
2位 | Irkutsk | ロシア | +9 | 18,075 | 29.1% |
3位 | Seoul | 韓国 | +9 | 6,228 | 10.0% |
4位 | Hawaii | アメリカ | -10 | 4,721 | 7.6% |
5位 | Osaka | 日本 | +9 | 2,141 | 3.4% |
6位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 2,049 | 3.3% |
7位 | JST | 日本 | +9 | 1,056 | 1.7% |
8位 | Sapporo | 日本 | +9 | 453 | 0.7% |
9位 | Asia/Tokyo | 日本 | +9 | 199 | 0.3% |
10位 | Jakarta | インドネシア | +7 | 103 | 0.2% |
(※地図ではIrkutskを除く)
公用語国は日本のみですが、ツイッターのタイムゾーンの独自仕様により、日本国内でも複数のタイムゾーン(東京、大阪、JST、札幌、アジア/東京)が存在するようです。また、2位のIrkutsk(イルクーツル)はロシア領です。この地域に日本人が多いのでしょうか!?調べてみたところどうやら一部のツイッタークライアントではなぜかIrkutskが初期値として設定されているそうです。
Irkutskは東京と同じ時差(GMT+9)なので実用上困らないでしょうが変な気分ですね。これも日本として考えると、合計77.0%が日本からのツイートということになります。
日本以外としては、韓国、アメリカ、インドネシアからとなりました。
3位 スペイン語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Buenos Aires | アルゼンチン | -3 | 5,047 | 12.3% |
2位 | Brasilia | ブラジル | -3 | 4,931 | 12.1% |
3位 | Central Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -5 | 3,944 | 9.7% |
4位 | Eastern Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -4 | 3,105 | 7.6% |
5位 | Caracas | ベネズエラ | -4 | 2,989 | 7.3% |
6位 | Madrid | スペイン | +2 | 2,795 | 6.8% |
7位 | Santiago | チリ | -4 | 2,554 | 6.2% |
8位 | Mexico City | メキシコ | -5 | 1,926 | 4.7% |
9位 | Athens | ギリシャ | +3 | 1,723 | 4.2% |
10位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 1,335 | 3.3% |
この中でスペイン語の公用語国はアルゼンチン、ベネズエラ、スペイン、チリ、メキシコで合計37.3%でした。公用語国でないブラジルからも多く、南米からは合計で42.6%となりました。大航海時代の歴史的な理由が伺い知れますね。また、アメリカ、カナダ、ギリシャからも多く、スペイン語が世界の広範囲で使われていることが分かります。
4位 アラビア語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Baghdad | イラク | +3 | 3,472 | 24.6% |
2位 | Riyadh | サウジアラビア | +3 | 1,859 | 13.2% |
3位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 1,094 | 7.8% |
4位 | Hawaii | アメリカ | -10 | 1,002 | 7.1% |
5位 | Kuwait | クウェート | +3 | 778 | 5.5% |
6位 | Quito | エクアドル | -5 | 626 | 4.4% |
7位 | Athens | ギリシャ | +3 | 606 | 4.3% |
8位 | Cairo | エジプト | +2 | 594 | 4.2% |
9位 | Kyiv | ウクライナ | +3 | 591 | 4.2% |
10位 | Abu Dhabi | アラブ首長国連邦 | +4 | 482 | 3.4% |
この中でアラビア語の公用語国はイラク、サウジアラビア、クウェート、エジプト、アラブ首長国連邦で合計50.9%となり、アラビア諸国で過半数を占めました。一方、アメリカ、カナダ、エクアドル、ウクライナといった北米、南米、ヨーロッパからのツイートも多く、以前紹介したように以前紹介したようにアラビア語での政治運動が活発ということが予想されます。
5位 ポルトガル語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Brasilia | ブラジル | -3 | 10,644 | 47.8% |
2位 | Santiago | チリ | -4 | 2,682 | 12.1% |
3位 | Mid-Atlantic | アメリカ | -2 | 2,561 | 11.5% |
4位 | Greenland | デンマーク | -2 | 1,069 | 4.8% |
5位 | Atlantic Time (Canada) | カナダ | -3 | 912 | 4.1% |
6位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 695 | 3.1% |
7位 | Buenos Aires | アルゼンチン | -3 | 432 | 1.9% |
8位 | Lisbon | ポルトガル | +1 | 428 | 1.9% |
9位 | Amsterdam | オランダ | +2 | 426 | 1.9% |
10位 | London | イギリス | +1 | 414 | 1.9% |
この中でポルトガル語の公用語国はブラジル、チリ、ポルトガルで合計61.8%でした。アルゼンチンを含めた南米からは同様に合計61.8%となりました。スペイン語と同じく大航海時代の歴史が見て取れます。一方でアメリカ、デンマーク、カナダ、オランダ、イギリスからも多く、ポルトガル語が欧米でも広く使われていることが分かります。
6位 インドネシア語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Jakarta | インドネシア | +7 | 4,822 | 29.1% |
2位 | Bangkok | タイ | +7 | 2,930 | 17.7% |
3位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 1,797 | 10.8% |
4位 | Kuala Lumpur | マレーシア | +8 | 1,506 | 9.1% |
5位 | Beijing | 中国 | +8 | 1,378 | 8.3% |
6位 | Novosibirsk | ロシア | +7 | 753 | 4.5% |
7位 | Arizona | アメリカ | -7 | 327 | 2.0% |
8位 | Alaska | アメリカ | -8 | 324 | 2.0% |
9位 | Hanoi | ベトナム | +7 | 240 | 1.4% |
10位 | Urumqi | 中国 | +8 | 187 | 1.1% |
この中でインドネシア語の公用語国はインドネシアのみで29.1%でした。東南アジア(インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム)からは合計57.3%となり、過半数を占めました。アメリカ、カナダ、中国、ロシアからのツイートも多いことが分かりました。
7位 ロシア語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | London | イギリス | +1 | 3,693 | 38.8% |
2位 | Europe/Moscow | ロシア | +4 | 2,073 | 21.8% |
3位 | Moscow | ロシア | +4 | 497 | 5.2% |
4位 | Abu Dhabi | アラブ首長国連邦 | +4 | 413 | 4.3% |
5位 | Kyiv | ウクライナ | +3 | 339 | 3.6% |
6位 | Yerevan | アルメニア | +4 | 251 | 2.6% |
7位 | Baghdad | イラク | +3 | 248 | 2.6% |
8位 | Athens | ギリシャ | +3 | 225 | 2.4% |
9位 | Almaty | カザフスタン | +6 | 191 | 2.0% |
10位 | Minsk | ベラルーシ | +3 | 150 | 1.6% |
この中でロシア語の公用語国はロシア、カザフスタン、べラルーシで、合計で30.6%でした。1位は意外にもイギリスとなりました。周辺国のアラブ諸国やギリシャにも多いことが分かります。
8位 トルコ語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Istanbul | トルコ | +3 | 2,249 | 24.1% |
2位 | Baghdad | イラク | +3 | 1,725 | 18.5% |
3位 | Athens | ギリシャ | +3 | 1,458 | 15.6% |
4位 | Kyiv | ウクライナ | +3 | 724 | 7.8% |
5位 | Bucharest | ルーマニア | +3 | 706 | 7.6% |
6位 | Quito | エクアドル | -5 | 605 | 6.5% |
7位 | Greenland | デンマーク | -2 | 386 | 4.1% |
8位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 383 | 4.1% |
9位 | Hawaii | アメリカ | -10 | 173 | 1.9% |
10位 | Europe/Istanbul | トルコ | +3 | 136 | 1.5% |
この中でトルコ語の公用語国はトルコのみで合計35.6%でした。トルコ周辺のヨーロッパ諸国(ギリシャ、ルーマニア、ウクライナ)も多いです。デンマークや北米(アメリカ、カナダ)、南米(エクアドル)と世界の広範囲に広がっていることも分かります。
9位 タイ語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Bangkok | タイ | +7 | 3,550 | 43.9% |
2位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 1,751 | 21.7% |
3位 | Jakarta | インドネシア | +7 | 1,407 | 17.4% |
4位 | Novosibirsk | ロシア | +7 | 468 | 5.8% |
5位 | Hawaii | アメリカ | -10 | 245 | 3.0% |
6位 | Hanoi | ベトナム | +7 | 190 | 2.4% |
7位 | Seoul | 韓国 | +9 | 70 | 0.9% |
8位 | Beijing | 中国 | +8 | 66 | 0.8% |
9位 | Alaska | アメリカ | -8 | 56 | 0.7% |
10位 | Arizona | アメリカ | -7 | 52 | 0.6% |
この中でタイ語の公用語国はタイのみで43.9%でした。東南アジア(タイ、インドネシア、ベトナム)では合計63.7%となりました。北米(アメリ、カナダ)、ロシア、東アジア(韓国、中国)にも分布していました。
10位 韓国語の場合
順位 | タイムゾーン | 主な国 | 時差 | ツイート数 | 割合 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | Seoul | 韓国 | +9 | 2,787 | 38.9% |
2位 | Irkutsk | ロシア | +9 | 1,898 | 26.5% |
3位 | Pacific Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -7 | 725 | 10.1% |
4位 | Hawaii | アメリカ | -10 | 445 | 6.2% |
5位 | Bangkok | タイ | +7 | 264 | 3.7% |
6位 | Jakarta | インドネシア | +7 | 188 | 2.6% |
7位 | Beijing | 中国 | +8 | 102 | 1.4% |
8位 | Tokyo | 日本 | +9 | 70 | 1.0% |
9位 | Kuala Lumpur | マレーシア | +8 | 58 | 0.8% |
10位 | Eastern Time (US & Canada) | アメリカ、カナダ | -4 | 53 | 0.7% |
(※地図ではIrkutskを除く)
この中で韓国語の公用語国は韓国のみでした。ただし、2位のIrkutsk(イルクーツル)はロシア領であり、韓国語がよく使われているとは考えにくいので、先の日本語の場合と同じくツイッタークライアントのバグでしょう。そのため、これも韓国からのツイートと考えると合計65.4%となりました。他はアメリカ、カナダ、タイ、インドネシア、中国、日本、マレーシアといった北米、東南アジア、東アジアに渡っていることが分かりました。
まとめ
各言語での公用語国・非公用語国からのツイート割合をグラフにしました。
まとめると次のようになります。(高い低いの基準は50%です。)
①公用語国の割合は高く、非公用語国は非周辺国で高い:ポルトガル語、英語、アラビア語
⇒世界の広範囲で使用されている
②公用語国の割合は高く、非公用語国は周辺国・非周辺国とも低い:日本語、韓国語
⇒世界の一部の国・地域で使用されている
③公用語国の割合は低く、非公用語国は非周辺国で高い:スペイン語、ロシア語
⇒世界の広範囲で使用されている
④公用語国の割合は低いが、非公用語国(周辺国)を合わせると高い(公用+非公用(周辺)が50%超):タイ語、トルコ語、インドネシア語
⇒世界の一部の国・地域で使用されている
①③ 世界の広範囲で使用されている言語について
大航海時代や世界大戦が言語の分布に影響していることがツイッター上でも分かりますね。英語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語の分布はそれが色濃く出ているように思えます。スペイン語・ロシア語は、ポルトガル語・英語に比べて公用語国の割合が低いですが、これは植民地政策や冷戦時の統治方法の違いによるためでしょうか。
アラビア語が世界の広範囲で使用されているのは、先の記事でも紹介したようにSNSを使った政治活動が盛んなためでしょう。近年のアメリカ対アラブ諸国の構図が見られます。
②④ 世界の一部の国・地域で使用されている言語について
日本語、韓国語は日本と韓国の本国のみで盛んという状況です。2国は話者の割にインターネット利用者が多いため、ツイッターでも上位に来ていますが、国際的な観点からは一部の国・地域に限定的ということが分かりますね。
一方、タイ語、トルコ語、インドネシア語は周辺国での利用が多く、日本語、韓国語に比べると言語の分布が広いことが分かりました。
言語を取り巻く世界情勢が分かって面白いですね♪
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